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魚市場の競（せ）りに参加できる権利を有する店主。予約当日、早朝5時30分に市場に出向いて、料理人の厳しい目で有明海や玄界灘で水揚げされた新鮮な魚介類を競り落としていく。イソギンチャク、ムツゴロウ、アゲマキなど珍しい海の幸を、職人ならではの逸品に仕上げている。
お刺身はもちろん、常連客に人気がある鰯を包丁で細かく叩き、摩り下ろした山芋を練り込んだ軟らかな「鰯だんご」など日本料理には日本酒がよく合う。店主の実家は酒屋を営んでいるため蔵元との信頼関係も厚く、佐賀県をはじめ全国各地からさまざまな銘柄の日本酒や焼酎、梅酒などを備えている。
調理を一人で担当する店主。忙しいなかでも、気さくで温かい人柄が、店内にアットホームな雰囲気を醸し出している。予約の際には、細かくゲストの好みを聞き取る。「味付けや硬さ、食材の種類など可能な限りリクエストに応えていきたい」と、ゲストを大切にした店主の丁寧な調理が続く。
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